ESSAY

2022.5.11

ハッセルブラッド 907X 50C|CFV II 50C レビュー

先日、撮影の合間に若いカメラマンとカメラについての談義になった。

カメラマン同士だとだいたいそういう話になるが

お互い35mmカメラにときめかなくなったという結論で一致した。

 

普段、WEB用のスチールはEOS1DX MarcⅡ

動画はシネマEOSのC70かBMPCC6Kで済んでいて

どれもEFレンズを使えて重宝しているが

モデル撮影だけはPENTAX645Z(中盤カメラ)で撮影することが多くなった。

そもそもセンサーが大きいので出てくる質感がまるで違う。

 

そういえばフィルム時代はペンタックス67に645、MAMIYA RZ67に4x5

ほとんど中盤しか使ってなかったのを思い出した。

昔はトキめく機材がたくさんあった。

 

余談だが、先日動画撮影用にEOSR5Cを購入したが、数ヶ月たっても一向に納品されないのでキャンセルさせていただいた。

小さいシネマカメラが必要なため購入したが、特にトキめかないので辞めてしまった。

 

代わりにハッセルブラッドの907X 50Cを購入した。

近々大きいサイズの広告撮影が続くのと、往年のハッセル資産がそのままデジタルで使えるのが踏み切った理由だ。

 

これからの撮影仕事でこれをどう使っていくか。

その辺も含め、届いてから少し感じた点をいくつかレビューする。

 

ハッセルブラッド 907X 50C CFV II 50C

こちらがハッセルブラッドの907X 50CにXCD45mm/f4を付けた状態。

907X 50Cというのはレンズ側の薄いボディ部分。その後ろにCFV II 50Cというデジタルバックが付いていて、新品ではセットでしか買えない。

レンズも別売りなので一番軽い45Pを試しに購入した。

このレンズはAFが効くので、シャッター半押しでピントが合うようになっている。

最近の35mmに比べるとスピードは劣るが、ピントの精度は全く申し分ない。

よく遅すぎるというレビューを見るが、それほど気にならない。

 

ハッセルブラッド 907X 50C CFV II 50C

これがデジタルバックCFV II 50C。この中に5000万画素のCMOS中判センサーが入っている。

液晶画面は45度上にチルトするので、真上から見たりウエストレベルで撮影ができる。

ちなみに907X 50Cと組み合わせると勝手にライブビューになる。液晶もデカイのでかなり見やすい。

XCDレンズでAF撮影するなら、全く問題なく仕事で使えるレベルだ。

 

ハッセルブラッド 907X 50C CFV II 50C

真横からみるとこんな感じ。非常に小さい。そして軽い。そして潔い。

 

ハッセルブラッド 907X 50C CFV II 50C

フィルムカメラの503CXにCFV II 50Cを付けた状態。

フィルムパックと全く変わらないし、取り付け方も同じ。

 

右下に見えるデジタルバックの四角い穴はUSB-C端子で、PCと繋いでデザー撮影の時にも使用する。

デザーもハッセルのPhocusなら問題なく使えた。Lightroomは残念ながら対応していなかった。

ただしRAW現像はLightroomでもPhotoshopでも問題なく現像できた。

なのでデザー撮影はPhocus一点のみ。

 

難点としては、フィルムカメラにCFV II 50Cを付けた状態でのデザー撮影は仕事では使いづらい。

いろいろと手間が必要なので、撮影スピードが格段に落ちる。

物撮りなど、動かない被写体のピントを合わせる時には使える。

何しろピントが恐ろしくシビアすぎるから。

デザー撮影のやり方はこちらに詳しく掲載していたので共有を。

https://news.mapcamera.com/maptimes/hasseldigitalbagtoiusentakusi907x/

 

ハッセルブラッド 907X 50C CFV II 50C

ちなみに購入時は知らなかったが、907X 50C|CFV II 50C を購入すると

黒い厚紙のフォーマットが付いてくる。フィルムカメラのスクリーンに貼り付けて使うものだ。

通常のハッセルスクリーンは6x6のスクエアだが、CFV II 50C は645サイズになるので少し範囲が小さくなる。

つまりこの見えている部分がちょうど写る範囲になる。

ただの厚紙だが、これを付けないとちょっと撮影しづらい。

 

ハッセルブラッド 907X 50C CFV II 50C

今回のシステムは、503CXにCFV II 50C を組み合わせられるのが最大の喜びだったが、落とし穴もあった。

CFV II 50Cを取り付けて「絞り開放」で撮影してみると、ピントがなかなか合わない。

あまりにもシビアすぎるのと、ボディやスクリーンが昔のものなので、やたら見づらい。

 

現代のAFカメラに慣れていると、かなり苦労する。

さらに持っていたウエストレベルファインダーが+-0の視度補正なしだったため、中古で-2と-4の視度補正レンズを購入。

 

本当は-3がベストだが、中古市場ではそもそも視度補正レンズが少なすぎて手に入らない。

-4でなんとか合わせられるようになったが、スクリーンはピント合わせがしやすい下記をヨドバシカメラで購入した。

おかげで断然ピントが合わせやすくなった。これがないと無理かもと思うほどだ。

https://www.yodobashi.com/product-detail/100000001005967248/

 

ハッセルブラッド 907X 50C CFV II 50C

907X 50Cを購入しようか迷っている人がいると思うので総評を少しだけ。

おそらく手持ちのハッセルボディにCFV II 50Cを付けて、CやCFレンズでウエストレベルで撮影したい。

そう思っている人が多いはず。

高い買い物なので、ネットでレビューを見てもなかなかリアルな記事に出会えない。

 

ただ、結論から言うと、かなりおすすめです。

そして、かなりトキメキます。

 

良い点は以下。

 

・センサーが大きいのでフィルムのようなラチチュードで絵が出てくる。

・RAWで撮影するとその階調の広さを実感する。

・ピントが合った時は非常にシャープ。

・ウエストレベルで撮影できる

・ハッセル資産がそのまま使える(レンズも中古なら、かなり安い)

・ピント合わせさえ慣れれば、仕事でも使える。

 

悪い点は見当たらない。

強いて言えばピント合わせだけである。

ただ、どうしてもピント合わせが大変なら、フィルムボディは諦めてXCDレンズでAF撮影をすればいい。

XCDレンズのピント精度は文句なしです。

 

昔はみんな、このレトロなファインダーでピント合わせをしていたと思うと気にならない。

そしてこんな撮影スタイルは他のカメラではできない。

 

907X 50C|CFV II 50Cの作例は近いうちに。

仕事で使用したものを掲載します。

Production 撮影カメラ:PENTAX645Z
レンズ:HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SR

Writing

KYOSUKE YAMAUCHI

株式会社温故見新 代表取締役。宮城県出身。都内でカメラマン、演劇プロデューサーとして活動後、帰郷。動画制作、写真撮影、デザイン、writingの他、東北の中小企業のPR戦略を担う。宮城県仙台市在住。

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